23うつ病

うつ病になりやすい性格

2016/05/10

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多くの日本人が苦しめられているうつ病。

その原因の根本には対人関係や仕事のプレッシャーといった「ストレス」が

あると考えられています。

 

特に日本人特有の勤勉さや責任感の強さといった国民的な特徴がうつ病を

引き起こしている主な要因の1つだということは容易に想像できます。

うつ病の原因

うつ病の原因には様々なものが考えられますが、大別すると次の3つに

分類されると考えられています。

(1)性格(完璧主義、真面目、融通が利かない)

(2)環境(労働環境、家庭、人間関係、仕事、社会情勢など)

(3)体(ホルモン・栄養バランスの崩れ、脳の障害など)

これらの要素に強いストレスが加わると精神のバランスが崩れ、抑うつ状態が

悪化してうつ病に移行しやすくなります。

 

うつ病とはどのようなものか

ここでうつ病をもう少し厳密に説明します。

精神疾患としてのうつ病は、厳密には「大うつ病性障害(大うつ病)」と

呼ばれており、「本格的な・深刻な」という意味を伴っています。

そして「大うつ病」には、以下のような明確な診断基準があります。

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大うつ病の診断基準(DSM-5)

以下の症状のうち、少なくとも1つ以上ある。

(1)抑うつ気分

(2)全ての活動への興味または喜びの喪失

さらに、以下の症状のうち合計で5つ以上が同一の2週間に存在し、

病前の機能からの変化を起こしている。

(3)食欲障害(食欲の減退あるいは増加)

(4)睡眠障害(不眠あるいは睡眠過多)

(5)精神運動の焦燥感または制止

(6)易疲労感、または気力の減退

(7)無価値観、または過剰・不適切な罪責感

(8)思考力や集中力の減退、または決断困難

(9)死についての反復思考・希死念慮

これらが「ほとんど毎日」「2週間以上連続して」「著しい苦痛と社会的・職業

的などの障害を引き起こしている」状態に陥っているという大うつ病は、

およそ健康な人間には想像もつかないくらい辛く、苦しいものだと言えます。

一時的な落ち込みや気分の停滞では、うつ病と言えない理由がここにあります。

 

うつ病になりやすいタイプとは

一般的にうつ病は、「真面目で責任感がある人がかかりやすい」と考えられて

いますが、実はその一般的見解の元となっている定義がいくつか存在します。

以下に、精神医学者が定義する「うつ病になりやすい性格」をまとめました。

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・執着性格(日本精神医学者 下田光造)

偏執・熱中および熱狂・強い正義感という3つの特徴が強く見られる性格。

責任感が強く、真面目で几帳面。

一度起こった感情は長く持続し、同じものや事象に対して同じ感情を強く持ち

続ける。

具体的には、仕事熱心・凝り性・正直・生真面目・融通が利かない・徹底的・

ある種の強迫観念・思い込みが激しいなど。

 

・循環気質(ドイツ精神医学者 クレッチマー)

循環性格や躁うつ気質とも。明るく社交的で活動的。

高揚状態と憂うつ状態の間を行き来し、活発な性格と緩慢な性格を交互に

揺れ動く。

陽気・おしゃべり・ユーモア溢れる・のんき・鷹揚・物静か・気弱・

情けのある・悲観的など、明るさと暗さを併せ持った特徴があるとされている。

 

・メランコリー親和型性格(ドイツ精神医学者 テレンバッハ)

責任感が強く完璧主義。

几帳面で、スケジュールや約束、ルールや秩序を重んじる。道徳的で律儀。

他者との争いや摩擦を嫌うため、人の頼みは断れないことが多い。

仕事好きで我慢強く、何事においても誠実に対応する。

 

反面、融通が利かない、何事も他人任せにできない、小心者で他者からの

視線や評価を気にする、他人の目を気にするあまり自己主張ができない、

といったマイナス面も多い。

これらはそれぞれ特徴が違いますが、これらをまとめて「真面目で完璧主義」

と概略されたものが、一般化したイメージになったと考えられます。

 

上記のような性格でも、ストレスと感じる事象やストレス耐性などには個人差

があり、その違いによってうつ病になったりならなかったりするので、

これらの性格が見られるからといって簡単にうつ病を疑うようなことはしない

ようにしましょう。

 

シンプルな思考の人ほど、うつになりにくい

自己紹介などでより多くの要素や特徴を詳細かつ大量に語る人は、

「日頃からの思考や会話や愚痴を自身の中に溜め込んでいる、あるいは

何らかの障害(ストレス)により吐き出すことができない状態にある」と

考えられ、その場合はうつ病や他の精神疾患を疑うきっかけとすることが

少なくありません。

 

逆に言えば、思考がシンプルで、何かを説明する際にも端的で、比較的簡易

な言葉を使う人はうつ病になりにくい性格であると考えられます。

これは「普段から愚痴や会話をしていることでストレスが発散されている、

あるいは会話の妨げになる障害(ストレス)がない」からだという考えで

成り立っています。

 

この診断法は精神科の医者や専門家も使っている方法なのですが、専門外の人

がこの方法を重視しすぎると「ただのおしゃべり」や「人見知りで無口」と

いった(健康的な)性格の違いをうつ病と判断してしまうことも多いので、

あくまでも、うつ病を判断する最初のきっかけ程度に思うようにした方が

良いのです。

 

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