動脈硬化を起こしたとき
動脈硬化を放置したままでおくと、いろいろな恐ろしい
合併症を引き起こします。
日本人の死亡原因の第2位である心疾患と、第3位の血管疾患はどちらも血管の病気ですが、両者の死亡率を合わせると、第1位のがんに匹敵します。
心疾患も脳血管疾患も、突然発症して集中治療を必要としたり、その後も長期に療養を必要とすることが多く、脳血管疾患の場合は寝たきりや認知症を招く最大の原因にもなってきます。
それらの因子となるのが「動脈硬化」です。
脳出血も脳梗塞も、脳の栄養がストップする病気です。
脳の活動が十分にできなくなり、意識を失ったり、手足がまひしたり、ときには死に至るおそれもある病気です。
●動脈硬化の危険因子は?
動脈硬化は、動脈の内腔にコレステロールや脂肪がたまり、狭くなって血液が流れにくくなる状態のことです。
動脈硬化をつくる危険因子は、
1.加齢
2.高血圧
3.肥満
4.脂質異常症
5.糖尿病
6.運動不足
7.ストレス
8.喫煙
などがあります。
●動脈硬化を促進する悪玉コレステロール、改善する善玉コレステロール
コレステロールには、肝臓から末梢の動脈血管壁にコレステロールを運び、動脈硬化を促進するLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と、それを血管壁から肝臓に運び去るHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。
したがって、LDLが多く、HDLが少ない場合には、動脈硬化をおこしやすくなります。
また、血液中の中性脂肪が増えると、HDLが少なくなってやはり動脈硬化を促進します。
中性脂肪はエネルギーの過剰摂取によつてつくられます。
特に、穀類、砂糖、果糖などの糖資源やアルコールを過剰に摂り過ぎていると、肝臓で中性脂肪が多量につくられ、全身に運ばれるのです。