不老長寿の薬草・奇跡の漢方薬「冬虫夏草」とは!?
2021/01/08
冬虫夏草は中国を代表する優れた漢方生薬のひとつで、古来より愛用されて来ました。
特に中国の歴代王朝で、強壮・精力増強、疲労回復、諸病治癒、不老長寿に高貴薬として、宮廷を中心に常に重宝されてきました。
清朝の有名な漢方医学書、呉儀洛の『本草従新』(1757年)には、冬虫夏草は人間のエネルギーを生み出す源で、身体を強壮させると紹介されています。
目次
冬虫夏草(とうちゅうかそう)とは?
「冬虫夏草」は昆虫と菌種が合体した結合体のことです。
夏になると、たくさんの蝶が山中を飛び、花にたくさんの卵を産みます。
やがて卵が幼虫に孵化し、土の中に潜って、植物の根を栄養分として成長します。
この時「冬虫夏草」菌がこの昆虫につくと、菌はまず昆虫の体内に侵入し、昆虫の豊富な栄養分を吸収しながら、育っていきます。
昆虫が危険を感じて、必死に地面に出ようとしても、地表に着く前に菌によって死んでしまいます。
そして、長い冬の間に、菌は昆虫の体内で成長します。
形は昆虫の形ですが、中身はもう菌に変わっているのです。
これが“冬虫”です。
春の終わり頃から初夏にかけて、菌に変わった“虫”は発芽し、小さな頭(菌の子実体)が地面に出ます。
この時が最も採集に適した時期です。
そのまま放置するとやがてその小さい頭は草(細長い棍棒型)になります。
これが“夏草”です。
この奇妙な自然生態ゆえに「冬虫夏草」と呼ばれるのです。
この様に生きた虫の体に寄生するものは、冬虫夏草だけしか発見されていません。
その生態はまだまだ多くの謎に包まれています。
冬虫夏草は、どこにある?
冬虫夏草は、中国の青海、雲南、四川、チベットからネパールの3000mから4000mの高山帯に分布しています。
「冬虫夏草」の種類は昆虫の種類によって色々ありますが、そのうち正統な漢方生薬として扱われるのは、学名コルディセプス・シネンシスと呼ばれるコウモリ蛾科の幼虫に寄生したものだけです。
冬虫夏草は、絶対量が少ないので幻のキノコと呼ばれ、大変に珍重されています。
チベットの薬物書「甘露宝庫」(1400年頃)に「体の力と失われた精気を回復させる。
すべての身体機能を整え、体力や熱の偏重による病気にならない等すばらしい効果があり、副作用がなく、効能の宝庫である」と記されています。
チベットで薬物として使われていたものが、中国に伝わったと考えられています。
冬虫夏草には、肺と腎を強める働きがあるため、中国では他の生薬と組み合わせて、肺気腫や喘息の根本治療によく使われています。
長年にわたる医学的な研究によって、その効力は科学的に証明されました。
冬虫夏草の成分
冬虫夏草は十数種類のアミノ酸、粗繊維、炭水化物、脂肪、カルシュウム、鉄、亜鉛、マンガン等の微量栄養素が15種類発見されています。
この中には制ガン作用が注目されているベータグルカン、エルゴステロール・パーオキサイト、コルディセプス酸、コルディセピンなどが含まれています。
さらに奇跡のホルモンといわれる「メラトニン」が含まれていることも判明しています。
メラトニンは、間脳上部の松果体という内分泌器官から分泌される脳内ホルモンです。
メラトニンは不老長寿のホルモンとして注目されています。
「冬虫夏草」に含まれるβ-グルカン(多糖体)は、アガリスク茸の17倍、普通のキノコの約170倍と多量に含まれています。
亜鉛、セレン他のミネラル類・天然アミノ酸他のタンパク質など栄養成分の含有量も豊富で、更に、コルジセピンや抗酸化酵素(S.O.D)なども含んでおり、中高年全般の健康維持にもお薦めです。
不老長寿の薬草と呼ばれるには理由があって、冬虫夏草は免疫力を高め、壊れた細胞を修復する力が強いことが最近の研究で解ってきました。
ここまででも、素晴らしい薬草ですね。
中国、チベットでは、万能薬として利用されているようです。
日本では、あまり一般的ではありません。
なぜなら、高価なサプリメントだからです。
冬虫夏草(コーディセプス)の働き
冬虫夏草は漢の始皇帝や楊貴妃も愛用したと言う記録も残っているとか。
最も効果が現れるのが、免疫力の増強・回復作用・集中力・記憶力・運動力向上などです。
冬虫夏草の免疫力を高める力は、他のキノコの170倍にも及ぶと言われています。
中国では、強壮剤および薬草として重宝され、千年の歴史を有する漢方薬の成分として使用されています。
冬虫夏草は、ヘルパーT細胞の数を増やし、ナチュラルキラーNK細胞を活性化します。
成分として、ジオクシテアデノシン(血小板の成長を増強する作用)やセレン(白血球の抵抗力を増加する作用)、ポリサッカロイド(免疫機能を高める作用)が含まれるため、キラーT細胞やNK細胞を活性化させ、免疫力を高める効果があります。
また、ヘモグロビン(赤血球)の濃度を高める機能や活性酸素の抑制作用があるため、疲労回復を早め生活習慣病を予防します。
ビタミンEが含まれているため老化を防ぎます。
その他の効能としては、コレステロール抑制・動脈硬化防止、血圧降下作用・糖尿病予防にも効果が発揮されています。
なぜチベット産の「冬虫夏草」なのか?
「冬虫夏草」の種類は昆虫の種類によっていろいろありますが、そのうち漢方として、その名を歴史に残してきたのはチベット奥地の、コウモリ蛾の幼虫に寄生したものの一種類だけです。
一口にチベット産の冬虫夏草といっても、採取できる場所は海抜3000メ-トルを下らない厳寒の奥地であり、現地の人以外は、立ち入ることもできません。
従って、採取は現地の人に頼ることになりますが、それでも採れる量には限りがあります。
その時期は、5月から7月の、雪解けが始まった3ヵ月に限られています。
その時期が、最も冬虫夏草がピチピチしている”青年期”なのです。
冬虫夏草を発見することは難しく、大雪原の中から、わずか3センチほど顔を出しているのを見つけ出さなくてはいけません。
よほど熟練した人でも、一日中山の中を歩いて、せいぜい10グラム程度だといいます。
こんな苦労をするくらいなら人工栽培したほうがいい、という考え方もあります。
実際に中国では、そうした事業もあるようです。
しかし、人工栽培の冬虫夏草は、“冬虫夏草”ではないそうです。
学名は同じでも、効能は認められないといいます。
また冬虫夏草をドリンク剤や錠剤にするといったことも、簡単にはできることではありません。
中国青海高原とチベット自制区全域内の「冬虫夏草」の年間総採集量は5トンにすぎず、そのうちの8割は国内に使用され、残りのわずかの量がほかの国々に輸出されるのです。
その一方で、「冬虫夏草」は利用価値が高いため、健康食品分野が発展するにつれて、ますますその需要量が増え、価格は高騰していきます。
チベット産の冬虫夏草は、本当に、素晴らしい薬草です。
冬虫夏草の品質はピンからキリまである
冬虫夏草の品質は産地、成熟度などによって大きな差があります。
現在日本に輸入されているものは四川省や雲南省のものが多いのですが、ランクの低い未成熟なものが多く、有効成分があまり含まれていない冬虫夏草が多いのです。
冬虫夏草の中ではチベット産のものが最も薬効が高いといわれています。
しかし、チベット産の冬虫夏草は採取される量はわずかしかなく、日本で良質のチベット産冬虫夏草を入手するのはきわめて難しい。
また、最近出まわっている人口的に培養された冬虫夏草(冬虫夏草菌糸体)は、天然の冬虫夏草とは全く別物です。
人口的に培養された冬虫夏草(冬虫夏草菌糸体)は漢方では認められないそうです。
本物の冬虫夏草が、高価なのはあたりまえ!
天然の冬虫夏草は希少なコウモリ蛾に寄生する。
冬虫夏草は、現在も超効果で1kg100万円もします。
高麗人参が1kg1万円位ですから、いかに冬虫夏草が高価なものかわかるでしょう。
そこまで高価なのには理由があります。
天然の冬虫夏草は、チベットの高度3,000m以上の高地に生息するコウモリ蛾と言う非常に珍しい蛾に寄生します。
当然、生態が完全にわかっていないために人工飼育も成功していません。
ところが不老長寿の妙薬として、ひっぱりだこですから、完全に需要と供給のバランスがとれないため価格は高騰する一方です。
更に近年冬虫夏草がガンに非常に効果的であることが、臨床検査の結果解ってきたためさらに需要が高く、希少なものになりつつあります。
天然のチベット産「冬虫夏草」を手に入れるのが困難になっているのです。
冬虫夏草は、本当に、素晴らしい薬草です。
ぜひ手に入れてください。
冬虫夏草さえあれば、他のサプリメントは必要ありません。
まさに、奇跡の漢方薬です。
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