16自律神経

自律神経を整える方法

交感神経は命を守るシステムだ!

交感神経の「交感」とは、共感、共鳴、思いやりという意味ですが、もともとは「同調する神経」という意味で使われていました。

交感神経は、首の下の脊髄や背中から腰の上の脊髄から出て、背骨に沿って交感神経幹という中継所を通り、該当する器官の近くにある神経節に集まり、そこから各臓器に分布します。

交感神経には、血流調整、発汗、体温調整などのはたらきがありますが、もっとも必要な役目が「危険からの回避」です。

人は、敵に襲われそうになったとき、戦うにしても、逃げるにしても、手や足など必要な筋肉に多くの血液を送らなければなりません。

 

これらは、交感神経が緊張してはじめて起こる反応なのです。

また、寒さを感知し、脳から身体を温める指令を出すときも、交感神経は重要な役割を果たしています。

また、急激なストレスにさらされた時も、身体を守るために、真っ先に働くのが、この交感神経なのです。

つまり、交感神経は、危険を察知してただちに対応し、生命を守ろうとする重要なセキュリティーシステムなのです。

 

そのほかにも、交感神経には、全般的にエネルギーを消費する方向にはたらき、代謝を活発にし、合成よりは分解を進めるはたらきがあるのです。

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副交感神経はリラックスだけではない!

副交感神経とは

副交感神経は、主に脳の根元にある脳幹というところから出る数種類の神経と、脊髄の一番下にある仙髄からはじまる神経の2種類があります。

 

副交感神経のはたらきは「分泌と緊張緩和」

交感神経の特徴が「危険からの回避」や「闘争か逃走か」であるのに対して、副交感神経の特徴は、「安静と休息」あるいは「分泌と緊張緩和」であるといえます。

副交感神経は、まぶしい時に眼に入る光の量を減らすために瞳孔の収縮をさせます。

 

また、涙腺や唾液腺を刺激して、涙や唾液を分泌させたりします。

さらに、心臓では心拍数を下げ、胃腸では運動を活発にし、すい臓では血糖をコントロールするインスリンを分泌させます。

結果、血糖値を一定に保つのに役立っています。

 

また、副交感神経は、全体的には分解ではなく合成するはたらきを助けています。

しかし、その一方で、心臓の収縮力を低下させるなど、抑制的にはたらきます。

また、ぜんそくなどでは、副交感神経作用を抑える治療が必要とされる場合もあるのです。

 

血管の緊張を調節し血流をコントロールしているのは、交感神経だけなのですが、例外的に、脳、心臓、性器、消化管の分泌線などの細い動脈は、脳と仙髄から出た副交感神経によって調節されているのです。

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睡眠に大切な副交感神経

睡眠は、心身を休めるために重要なことですが、睡眠中は、脳も身体も常に休息しているわけではありません。

睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類があります。

通常の眠りでは、最初にノンレム睡眠がきて、その1~2時間後にレム睡眠がきます。

これを一晩に数回繰り返し、レム睡眠から覚醒して目が覚めるのです。

 

このノンレム睡眠は、睡眠の85%をしめ、脳の大きい部分である大脳が休息状態になります。

大脳皮質は、脳の高いレベルの機能を統括しているので、ここが休息すると意識もなく、記憶もされません。

このとき、交感神経の活動は弱まり、副交感神経が活発にはたらくため、心臓の拍動や血圧が低下し、胃酸分泌は高まり、胃の運動が盛んになります。

 

ノンレム睡眠は、心身の休息だけでなく、身体の修復を行うための大切な睡眠であり、エネルギーを保存する役割があります。

レム睡眠は、脳の一部が覚醒していても意識はなく、身体の筋肉は緊張がなくなっているので、レム睡眠は、「身体の眠りの時期」ともいわれ、夢や記憶、学習に重要な睡眠であることも知られています。

 

睡眠と自律神経

レム睡眠の時には、脳の自律神経を調節している中枢も休息状態になり、発汗が起こらなくなり、寒さに対する体温調節も行われなくなるのです。

その一方で「自律神経の嵐」といわれるような自律神経の無秩序な変動も起きやすく、交感神経が強まることもあります。

悪い夢をみて「ハッ」と目覚めたら、汗びっしょりということがあると思います。

 

これは夢を記憶し、交感神経が活動して汗をかくことがあるレム睡眠時に起こっている可能性があるのです。

睡眠を正しくとることは大変重要なことです。

そのために、副交感神経が正しく機能するようにその方法を考えていきましょう。

 

ゆっくり吐き出す呼吸が副交感神経を刺激する

自律神経は、呼吸運動だけではなく、肺の中に空気を取り込む管である気管支の太さや、肺に栄養を補給する血管の太さ、肺や気管支から出る分泌物の量などを調整するはたらきがあります。

また、肺の炎症などにも深くかかわっているのです。

 

副交感神経には、気管支を収縮させ気道を狭める作用があり、肺や気管支からの分泌を促す作用もあります。

ぜんそくなど呼吸困難をともなう呼吸器の疾患では、副交感神経を高めることは、症状を悪化させる可能性があります。

 

呼吸と自律神経

呼吸そのものによっても全身の自律神経におおきな影響が出るのです。

一般的に、息を吸い込む吸気は交感神経を刺激していて、息を吐き出す呼気は副交感神経を刺激しています。

そのため、息をゆっくり吸う呼吸をすると交感神経が刺激され、息をゆっくり吐く呼吸をすると副交感神経を刺激することになります。

 

その効能は、古くから知られていて、座禅や瞑想などの呼吸法にも活かされています。

息をゆっくり吐き出す呼吸法をおすすめします。

特に吐き出すことに意識を集中します。

 

この呼吸の目的は、吸うより吐くことをより長くすることにより副交感神経への刺激を高めて、全身をリラックスさせることにあります。

また、副交感神経を刺激することは脳の血管を強く拡張させる効果をもっていて、脳循環を改善する上でも役立ちます。

この呼吸法は、まず息を吸うのではなく、息を吐き出すことからはじめるのがコツです。

 

あがり症の人には、特におすすめの呼吸法です。

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