認知症の原因となる睡眠障害を解消するには?
認知症のひとつであるアルツハイマー病の原因物質「アミロイドβ」があります。
人は、深い眠りであるノンレム睡眠中に、脳内の老廃物を排出する仕組みがあり、この「アミロイドβ」も他の老廃物とともに排出されていきます。
もし睡眠障害があって、ノンレム睡眠が削られているとすれば、アルツハイマー病のリスクが上がることになるのです。
睡眠障害をへらすことが認知症の改善につながる
体内時計がうまく働かずに睡眠障害に陥ることが認知症につながることが分かると思います。
また、アルツハイマー病患者の半数以上の方が何らかの睡眠障害を抱えています。
症状が悪化すると昼夜が逆転してしまうこともある。
これは、体内時計の働きが狂ってしまい、ストレスホルモン「コルチゾール」が夜に増えてしまうことが原因です。
コルチゾールは、体内時計が正常に働いていれば、朝多く分泌されて覚醒を促し、夜には減ってしまうホルモンです。
夜間にコルチゾールが増えて覚醒してしまうために夜間の徘徊が起きてしまうのです。
体内時計を正常化する
昼夜が逆転してしまうと、それによって更に体内時計を狂わせてしまうことになります。
認知症の介護のはじめに、睡眠障害につながる体内時計の乱れを防ぐとともに、コルチゾールの分泌を抑えることが必要です。
・朝は、カーテンを開けて日光を取り入れる
・毎日同じ時間に食事を摂る
・果物や野菜、魚を積極的に摂る
・規則正しい生活をする
柑橘類に含まれるポリメトキシフラボノイドが認知症の予防によい
アルツハイマー病の人の脳では、グルコースの消費が20%~25%減少していて脳へのエネルギー供給量が減少しています。
この脳への栄養をグルコースからケトン体に変えることも効果があります。
脳のエネルギー源には、グルコースの他に「ケトン体」という肝臓から算出される物質があります。
これをケトン体サプリメントや中鎖脂肪酸オイルで増やすことができれば、脳へ十分なエネルギーを供給することができます。
また、ポンカンやいよかん、オレンジなどの柑橘類に含まれるポリメトキシフラボノイドは、体内時計のメリハリを増強する働きがあります。
体内時計が正常になると、朝・昼・夜のメリハリがきいてきます。
ポリメトキシフラボノイドには、アミロイドβの蓄積を抑制する働きもありますから、柑橘類を積極的に食べることは認知症の予防にもなります。
とくに、シークワーサーは、ポリメトキシフラボノイドの一種であるノビレチンの含有量が多いので、おすすめです。
十分な日光を浴びると入眠時刻も安定する
認知症には、日中に多くの光を浴びる「高照度光療法」というものがあります。
家にこもってばかりいると、強い光を浴びる機会がなく体内時計が正常に働かなくなります。
日中に強い光を浴びると夜分泌されるメラトニンの量が回復して、睡眠障害に効果があります。
睡眠障害の患者さんには、朝カーテンを開けて日光を取り入れることが大切です。