コロナウィルス

新型コロナウィルス「DNAワクチン」の開発状況

DNAワクチンとは

DNAワクチンとは、病原体を構成する成分の設計図であるDNAをワクチンにした

もので、遺伝子ワクチンとも呼ばれる。

筋肉内に投与すると、DNAの指示にしたがって病原体の一部であるタンパク質

を合成し、そのタンパク質に対する免疫が作られて、治療に寄与する。

そこで、アンジェスと大阪大学がいち早く共同開発を進めている新型コロナウ

イルス感染予防DNAワクチンの進捗状況や今後の展望を調べてみた。

 

DNAワクチンの開発

COVID-19に対するDNAワクチンの開発は、アンジェス創業者でもある森下竜一

阪大教授(臨床遺伝子治療学)が提案。

開発はアンジェスと阪大が共同で進め、製造はプラスミドDNAの製造技術・設

備を持つタカラバイオが担当する。

 

森下氏らが開発している新型コロナDNAワクチンは、新型コロナウイルスの

遺伝子をプラスミド(細胞の染色体とは別に、複製・増殖する遺伝因子の総

称)に挿入して作製するもの。

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プラスミドDNAを大腸菌に入れ、大腸菌を大きなタンクで大量に増やして抽出

する手法のため、1か月で数十万人分の生産を可能とし、製造はタカラバイオ

が行う。

もともと鳥インフルエンザウイルスのパンデミック用に構築されたDNAプラス

ミド法を利用したものだ。

実用化に向け「本年9月に、数100人程度のより大規模な試験を開始する」とし

ており、来年春には現在開発中の新型コロナ感染予防DNAワクチンの実用化

(100万人程度)が実現する見込みとなっている。

新型コロナ感染予防DNAワクチンの特徴としては、

ウイルスの遺伝子情報だけ判れば短時間(3週間程度)で開発できるので、

急激に感染拡大する新型コロナウイルスにも有効となる。

プラスミドDNAをベクターに使うので大量生産出が可能で、良好な安全性が確

認されている。

 

実際に、森下氏らは、今年の3月はじめにワクチン開発に着手し、3週間ほどで

完成している。また、安全性の確認については、鳥インフルエンザ、エボラ、

炭疽菌などの臨床試験が実施されており、良好な安全性が示されている。

 

DNAプラスミド法と従来の鶏卵法のワクチン製造法の比較では、製造期間は前

者の6~8週間に対して、後者は6~8カ月要する。

さらに、ワクチン製造用の有精卵を得るための時間を要し、数も限られている

ためパンデミック向きではない。

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世界で開発中の新型コロナワクチン

開発試験中の新型コロナウイルスワクチンには、米バイオベンチャーのモデル

ナが開発する「RNAワクチン」、米イノビオ・ファーマシューティカルズの

「DNAワクチン」、中国の「アデノウイルスワクチン」がある。

専門家によるRNAワクチン、DNAワクチン、アデノウイルスワクチンに関する

評価は概ね次の通りだ。

 

RNAワクチン

メリット:DNAワクチンより発現効率が高いため、抗体が早くできる可能性が

ある。

デメリット:非常に不安定なので、遺伝子発現のための補助が必要。

コストが高い。生産能力が低い。

 

DNAワクチン

メリット:大量生産が可能、安価、安定している。

デメリット:発現効率が低く、アジュバントなどの工夫を要する。

 

アデノウイルスワクチン

メリット:発現効率が高い。

デメリット:アデノウイルスによる副作用の発熱など安全性に対する不安。

生産能力低い。コスト高。アデノウイルスそのものに対する抗体もできるので、

抗体持続時間が半年~1年であるとすれば、再度投与した場合効果がない。

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これらの評価を総合して、

「パンデミックな新型コロナウイルスには、DNAワクチンの有用性が高いので

はないか」と指摘する専門家の声も少なくない。

ただし、今後、DNAワクチンの発現効率のさらなる改善が求められる。

 

ワクチンの早期完成と量産が必要

新型コロナウイルスで最も危惧されるのは、とにかく症状の進展が早いことだ。

朝は軽症であっても、夕方にはECMOの装着を余儀なくされる症例もある。

さらに、「今後は、PCR検査よりもむしろ、抗体検査が簡便にできるように

なってIgG抗体を持っているかどうかの判断が付けば、院内感染が減少して医

療崩壊の危惧が遠のく」と予測し、「IgG抗体と、感染初期に出現するIgM抗体

をしっかりと分けて正確に測定できる抗体検査の確立と、ワクチンの早期開発

が医療崩壊を防ぐ大きなポイントになる」としている。

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